フラクタル数独立体


これは,81個の重六角錘からなる, 重六角錘フラクタル の2次近似 です。それが,透明アクリルの32面体の中に入っています。この32面体は, 12個の正方形の面をもっています。そのうち6個は赤く縁取られていて,6 個は黄色く縁取られています。

このオブジェを,これらの12個の正方形の面から見ると,隙間がふさがって,四角く 見えます。赤い枠から見ても,黄色い枠から見てもです。

他の方向から見ると,また,いろんな形が見えてきます。 重六角錘フラクタルのページに ある,極限図形とよく似た形状が見える方向を探してみましょう。

このオブジェが正方形に見えたときには,81個の重六角錘のピースがそれぞ れ正方形になって,9x9の格子をなしているように見えます。この81個の ピースは,9色で色づけされています。そして,正方形に見える12方向どち らから見ても,各行,各列,各3x3のブロックに,9色全てが現れるように しています。つまり、12方向どちらから見てもスウドク解となる色づけになっ ています。この立体(重六角錘フラクタルの2次近似)には,この条件を満た す色づけが,色づけの同型を除いて30通りあります。この色づけは,その中 で最も対称性の高いものです。

スペインのサンセバスチャンで2007年7月24日から27日まで行われた, Bridges conference (数学と芸術に関する国際会議) にて,展示/発表を行いま した。その時には,フレームのアクリルオブジェクトとして,正方形の面がピ ンクと黄色のアクリルになっているオブジェを作成しました。


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