このアプレットは、簡単なフラクタル図形を動かして楽しむものです。
とりあえず、"only a" , "only b" をクリックして、マウスでドラッグして、 楽しんでください。
それから、この文章をもとにして、意味を考えてください。

ここで 作るフラクタル図形は、2つの縮小写像によって作られます。縮小写像とは、 ある点を中心として、拡大/縮小操作と回転操作を行う写像です。一つの縮小 写像は、原点を中心として、(1,0) を赤い点(a)に動かすように縮小と回転を 行うものです。(原点は、太い縦線と横線の交点です。(1,0) は、太い縦線の 右の細い縦線と、太い横線の交点です。)もう一つの縮小写像は、(1,0) を 中心として、原点を青い点(b)に移すように縮小と回転を行うものです。

アプレットを立ち上げたときには、赤い点と青い点は、ともに(1/2, 1/2) の 場所にあり、重なっているため、青い点だけが表示されています。

この2つの縮小写像を今表示されている画像に対して行った2つの画像を重ね たものを得るというのが、OneStep というボタンです。その横の Repeat とい うボタンを押すと、下のRepeat Times の項に指定された回数だけ、この操作 を繰り返し適用します。Reset ボタンを押すと、原点から (1,0) への線分の 画像になります。 Repeat Times にあまり大きな数字を指定すると、計算に時間がかかりすぎて、 止まらなくなるので注意してください。

さて、Repeat ボタンでは、この写像を指定された回数だけ適用しましたが、 この写像を無限に繰り返すと、最初どんな図形から始めても、最終的に同じ図 形に落ち着くことが知られています。それが、この2つの縮小写像から定義さ れるフラクタル図形と呼ばれるものです。無限回というのは不可能なので、原 点から (1,0) への線分からスタートして、Repeat Times 回だけ適用すること によりできる、近似的な図形をここでは表示しています。

この図形は、赤い点と青い点を決めれば決まります。では、この2つの点を連 続に動かしたら、フラクタル図形はどのように変化するだろうか? それを知りたくて作成したのがこのアプレットです。

画面上でマウスをドラッグすれば、この2つの点を動かすことができます。そ して、それにしたがって、フラクタル図形も変化していきます。マウスにつれ て動く点は、真ん中の水色の所で、only a, only b が選ばれていれば、両方の点 がマウスの動きにつれて動きます。そして、only a が選ばれていれば、b は固 定で a だけがマウスにつれて動きます。そして、only b が選ばれていれば、a は固定で b だけがマウスにつれて動きます。

set a and b の時には、まうすにつれて動くのは a の点です。それにつれて、 b がどのように動くかという計算式は、その下のピンクの色の所で指定します。 ちょっと難しいですが、c(a) というのは複素共役(y軸に関して a と対象な 場所) です。


このアプレットは、 奈良女子大学の河邑紀子さんの学位論文が刺激を発端とする、 京都大学情報学研究科の竹内泉さん レポートを元にして、作成しました。

立木 秀樹