シェルピンスキー三角形
接続辺を残さないようにつなげると,
3個づつのピースが正三角形を作ります。
3 つのピースをつなげて正三角形を作る方法は,次の2通り
(大きく口をあけた感じがするので,ライオンと呼ぶことにします)
と,次のページで述べる2通り(三又)があります。
正三角形の頂点から出ている接続部分をコネクターと呼ぶことにします。左図のライオンは,右と上のコネクターが向き合っています。これらにピースをつなげていくと,下図のように,真ん中に穴のあいた正三角形ができます。
これも,3つのコネクターをもっており,右と上のコネクターが向き合っています。これらのコネクターの先に,同じような形をつなげると,大きな穴が一つと,周りに小さな穴が3つあいた形になります。
さらにもう一度繰り返します。
これは,いくらでも繰り返すことができます。
このような構造をした図形を,シェルピンスキー三角形の近似図形
といいます。(正確には,シェルピンスキー・ガスケット,あるいは,シェルピンスキー三角形は,全体の大きさは変えずに,穴をふやしていった極限のことです。ですので,
このように繰り返しのたびに大きくなっていくものをシェルピンスキー三角形の近似図形というのは,多少違和感があります。)
ライオンをレベル 0 の近似として,上の絵を,シェルピンスキー三角形のレベル 1, 2, 3 の近似ということにします。
さて,今求めているのは,接続辺が残っていない,無限に大きな図形です。上の構成を
無限に繰り返して,レベル 4, 5, ... と無限に大きくしていったものを考えれば良さそうですが,
それでは,右上に広がっていくだけで,左下のコネクターは何もつながらずに残ってしまいます。ですので,左下のコネクターの先にも同様のものを作ってつなげる必要があります。
それは,反対向きのライオンからはじめてもいいですし,
あるいは,前ページの写真の真ん中にあげたように,「三又」(や,その亜種)に3つつなげていくこともできます。このようにしてできた,"無限に大きなシェルピンスキー三角形を2 つ,あるいは 3つつなげた形は,このピースからできる無限に大きな形です。
ここでは,レベル1の近似図形として,スタートのライオンと同じく,右と上のコネクターがお互いに向き合ったもの(A)を考えました。実は,この時点でのコネクターの作りに3通りの可能性があり,左と上のコネクターが向き合い,右のコネクターが上を向くもの(B)と下を向くもの(C)も作れます。
A
B
C
B, C は,左と上のコネクターの方向に拡張して次のレベルの近似図形を作ることができ,右と上,あるいは,左と上,右と左のコネクターが向き合うようにもできます。そして,次のレベルへの拡張は,向き合ったコネクターの方向に行われます。
このように,大きくするたびに拡張する方向を変えることにより,コネクターが残らないように,シェルピンスキー三角形を無限に大きくしていくこともできます。