[情報基礎演習[全学向] >  情報基礎演習[全学向](2025・前期・月4/月5) 課題 > [課題03] 学術論文の調査 ]

[課題03] 学術論文の調査

課題

学術論文を(各自の興味に従って)自由に収集して,調査することにします. 収集した論文について,以下に示す要領で,個々の論文の内容に踏み込まない範囲で(つまり文書の形式から分かる範囲で)調べてください.論文の内容を理解する必要はありません.調査結果は適宜まとめて,調査した論文の文献情報とともに提出してください.

この調査のために大量の論文を収集することは想定していませんが, 1本の論文だけを調べるのではなく, 複数の論文を比較することで知見を得ることを考えています.

この調査は.実際の学術論文の例を,ある程度の時間をかけて眺めてみること,学術論文がどのような「作法」にしたがって記述されているのかを知ることを目的とします. すべての学問分野に共通の作法もあれば,分野によって作法の流儀が異なることもあるでしょう. 自分の興味のある分野の論文に触れること, 学術論文がどのように書かれているのかを知ることは,今後,論文(例えば卒業論文)を書くための準備になると考えています.

目次

  1. 事前準備 ― 電子リソース利用のためのブックマークレットの設定
  2. 論文検索の方法
  3. 調査の要領
  4. Webサイトの情報,対話型AIなどの生成AIの利用について

事前準備 ― 電子リソース利用のためのブックマークレットの設定

調査に先立って以下にしたがって事前準備をしてください.

京都大学では,さまざまな学術情報リソース(論文・書籍・データベース)を,大学の構成員(学生,教職員)にオンラインで提供しています. 京大の構成員であることを認証システムによって示すことで, (大学による契約の範囲で)有償のリソースにアクセスできるようになります.

認証システムを利用するには,利用開始の初回にWebブラウザに「ブックマークレット」を設定する必要があります. 今回の課題のためだけではなく,今後も大学の学術情報リソースを利用することを考えて,次のページを参照して,Webブラウザにブックマークレットを設定してください.

設定できたら,ブックマークレットの利用方法についても確認しておいてください.

電子リソースの利用についての注意

電子リソースは無償でアクセスできるからといって,何をしてもよいわけではありません.ルールにしたがって利用することが求められています.

個人で利用するとはいっても,たとえば翻訳サービスや生成AIを利用するためにファイルをアップロードするには,提供側からの許可が必要であったり,契約が必要である場合もあるようです. また利用するツールによっては,意図せずして大量ダウンロードが行われてしまうこともあるようです.

電子リソースを利用する前に次の情報も確認しておいてください. いずれも上掲の「電子リソースへのアクセスについて」(京都大学図書館機構)のページ内に記載されています.

不適切な利用が認められた場合,当該ユーザだけではなく,大学から出版社へのアクセスが遮断される等,大学全体を対象としたペナルティが科せられることもあります.

論文は「CiNii Research」で探してみてください.

検索の要領を以下に示します.下図も参照してください.

  1. CiNii Researchでは,検索窓の下に検索する対象が示されていますので,「論文」を選んでください.
  2. CiNii Researchの検索窓の右下の「詳細検索」を開いて「本文リンクあり」にチェックを入れてから「フリーワード」で検索すると,本文をオンラインで入手できる可能性のある論文だけが検索結果に出てきます.
  3. 検索結果の各論文の下に表示される「オレンジのボックス」が,論文掲載ページへのリンクになっています(「本文リンクあり」をチェックしない場合はリンク先がない論文も含めてヒットします).
CiNii Research: 検索対象の設定と詳細検索 CiNii Research: 本文リンクなど

無償で入手できる論文を調査対象として想定しています. 有償の論文を購入する必要はありません. なお一般向けには有償で提供されている論文であっても,上述の「ブックマークレット」を導入しておけば入手できるものもあります.

補足

CiNii Research以外の論文検索サービスを利用しても構いません. 論文検索サービスとしては,たとえばGoogleが提供する「Google Scholar」がよく知られています(Google Scholarは学術情報の検索に特化したサービスです).

今回の調査対象に英語の論文を加えることも歓迎します. やはり有償の論文であっても,「ブックマークレット」を導入しておけば入手できる場合もあります.

調査の要領

以下に調査の要領を簡単に示します.

Webサイトの情報,対話型AIなどの生成AIの利用について

この課題に取り組むにあたって,Webを検索することで,関連する情報がまとめられているサイトが見つかることはあり得るでしょう. またChatGPT,Gemini,Copilotなどの対話型AIに質問したり,PerplexityのようなAI検索エンジンで調査したりすることなどによって,さまざまな情報を得ることもできるでしょう.

しかし今回の課題では,対話型AIも含めて他者によって整理された情報を利用するのではなく,個々の論文を見て,実物から知見を直接得ることを想定しています.

なおサイトの情報や対話型AIなどから得られた回答をそのままコピーして提出することは,第三者の回答の利用(剽窃),第三者による課題の代行の利用に相当すると考えられます. またそのように課題を丸投げしただけでは,自分の中に残るものはほとんど何もないでしょう.

対話型AIなどの生成AIに有用な面があるのは間違いないところで,今後の学習において一切利用しないことは考えられないでしょう.対話型AIとの上手な付き合い方は,まだまだ探っていく段階にあると思っています.

[情報基礎演習[全学向]  >  情報基礎演習[全学向](2025・前期・月4/月5) 課題 > [課題03] 学術論文の調査 ]