研究分野
データハイディング(Data Hiding)
データハイディングとは,ディジタルメディア(ディジタルデータ)に情報(これもディジタルデータ)を隠す技術のことです. 隠される情報はメディアに埋め込まれて一体化されるため, メディアファイルを開いても,情報がどこにあるかは分からないようになっています. データハイディングの応用として, 主に「ステガノグラフィ」「電子透かし」「エンリッチメント」があります.

- ステガノグラフィ(Steganography) ー 情報の存在を秘匿する
- 情報を保護する技術に暗号があります. 暗号により秘密情報を保護することができます. しかし情報を暗号化しても情報が存在していることは明らかです. そのため暗号化された情報は常に解読の対象になり得ます. それに対してステガノグラフィは情報の存在を秘匿する技術です. 第三者にとって秘密情報が存在することが分からなければ,そもそも解読を試みられることもありません.
- 電子透かし ー コンテンツの価値を保護する
- 電子透かしはディジタルコンテンツの著作権保護,改竄検知のために使われる技術です. コンテンツに透かし(情報)を埋め込んでおくことで, コンテンツが不正コピーされたときに情報を取り出して,著作権を主張したり, 購入者(流出させたユーザ)を特定したりすることができます. このときコンテンツが編集された後もコンテンツに価値があれば 透かしが取り出せることが求められます. またコンテンツに壊れやすい透かしを入れておけば, 透かしが取り出せるかどうかでコンテンツの改竄検知ができます. もし透かしが取り出せなければ,改竄を受けていることが分かります.
- エンリッチメント ー コンテンツの価値を高める
- ディジタルメディアに付加情報を埋め込むことで, メディアを富化(Enrichment)できます. メディアにIDを付けたり,メタ情報を埋め込んだり,あるいは互換性を保ったまま機能拡張のための情報を埋め込んだりすることが考えられます. データハイディング技術により, メディアの価値を損なわず,透過的に情報を付加することができます.
その他のテーマ
これまでに情報可視化や画像からの三次元形状復元についても研究を行ってきました.
卒論・修論テーマ
卒業論文,修士論文では次のようなテーマをこれまで扱ってきています. これら以外のテーマにもできるだけ柔軟に対応していきたいと思っています.
- ステガノグラフィ
- 電子透かし
- 画像処理
- 動画処理
- 不完全情報ゲーム
- 完全情報ゲーム
- ユーザインタフェイス